崩れる脳を抱きしめてを徹底ネタバレ!あらすじ・結末をそっとご紹介
漫画から小説まで本を読むのが子供の頃から好きだったのですが、子供を生んでからはとんとご無沙汰・・・
でも先日本屋に立ち寄った際にこの本に惹かれて衝動買いしてしまいました。
崩れる脳を抱きしめて [ 知念実希人 ]
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2018年本屋大賞にノミネートされた作品、『崩れる脳を抱きしめて』(著/知念実希人) です。
残念ながら大賞は逃してしまいましたが、今回はこの本の内容についてご紹介していきます。
私の個人的な感想、そしてラストはどうなるのか?について詳しく書いていきますので、もし未読でラストを知りたくない!という方は、絶対に読まないで下さいね^^;
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『崩れる脳を抱きしめて』の主な登場人物
まずは、主な登場人物を紹介します。
主な登場人物
- 碓氷蒼馬(うすいそうま)26歳男性 研修医
- 弓狩環(ゆがりたまき)28歳女性 312号室に入院中、絵を描くのが趣味
- 朝霧由(あさがりゆう)28歳女性 2階の病棟に入院中、弓狩環の親友
主人公は26歳の男性。
研修医である彼が、神奈川県にある全病室が個室の富裕層向け療養型病院「葉山の岬病院」へ研修に来たところから物語は始まります。
研修医の碓氷は、幼い頃父親が作った借金に苦しめられ、父親が愛人と失踪した後は母と妹とお金に苦労した生活をしてきたため、お金や医師として成功することに強いこだわりがあります。
ヒロインは特別病室である312号室に入院中の弓狩環。
弓狩環は、碓氷とは逆に莫大な遺産を持て余しているお嬢様で、外出恐怖症であり、趣味は絵を書くこと。
しかし、グリオブラストーマという脳腫瘍をわずらっており、余命数ヶ月・・・と言われています。
朝霧由は、環と同じ境遇(彼女も頭に病気をかかえている)の親友です。
『崩れる脳を抱きしめて』の簡単なあらすじ
では次に、簡単なあらすじから・・・
広島から神奈川の病院に実習に来た研修医の碓氷は、脳腫瘍を患う女性・ユカリと出会う。外の世界に怯えるユカリと、過去に苛まれる碓氷。心に傷をもつふたりは次第に心を通わせていく。実習を終え広島に帰った碓氷に、ユカリの死の知らせが届く――。彼女はなぜ死んだのか? 幻だったのか?ユカリの足跡を追い、碓氷は横浜山手を彷徨う。そして、明かされる衝撃の真実!? どんでん返しの伝道師が描く、究極の恋愛×ミステリー!
引用元:booklive
物語は第一部と第二部に分かれており、第一部は恋愛小説、第二部がミステリー仕立て、謎解きのお話となっています。
読んでまず思ったのは読みやすい!ということで、文章が読みやすくリズムがいいのかスラスラ読むことが出来ました。
著者の知念さんは現役医師ということなので、医療関係の単語がたくさん出てくるのですが、わかりやすく描写しているため、突っかかることなく読了できました。
では次に、詳しいあらすじを書いていきますね。
ここから先は結末までネタバレ有りとなっていますので、注意して下さい!^^;
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『崩れる脳を抱きしめて』詳しいのあらすじ※ネタバレ有り
詳しいあらすじを起承転結ごとにまとめました。- 起「出会い」
- 承「過去の謎解きと初恋」
- 転「死の知らせ」
- 結「横浜でわかった真実」
1.起「出会い」
広島から神奈川にある病院に実習に来た研修医の碓氷は、脳腫瘍を患う女性・弓狩環と出会います。
弓狩(ゆがり)は、言いにくいから「ユカリ」と呼んで、と碓氷にお願いします。
祖父母の遺産でお金持ちのユカリは、療養型病院の豪華な特別室に入院中でした。
ユカリは、身内はおらず天涯孤独、絵を描くのが好きで、「頭に爆弾を抱えている」との言葉どおり脳腫瘍で余命は数ヶ月・・・
遠い親戚に遺産を狙われているという理由(遺産目的で殺されるかもしれない)で、外出恐怖症でもあります。
一方碓氷は、幼い頃父親の借金のせいで苦労しており、おまけに愛人失踪した父親のことを酷く憎んでいます。
なので早く奨学金を返して母と妹に楽させてやりたい、と有名な脳外科医になるのが夢でがむしゃらに勉強をしているのですが、勉強をするため借りている病院の一室は、室外機の音がうるさく勉強に集中できません。
そのことを知ったユカリは、私の部屋(特別病室)の机を使っていいわよ、と申し出ます。
そこから午後の一時の間、勉強をするために訪れるユカリの病室で、ユカリとの時間が過ぎていくのですが、その中で、碓氷にユカリは言います。
「あなたは過去(父親)に囚われている」
2.承「過去の謎解きと初恋」
ユカリは碓氷を過去(父親)から解き放つために、父親の失踪と事故死について、もう一度調べるようアドバイスします。
父親から届いた海外からの手紙、山での滑落死についての真相を碓氷が知ることで、碓氷がとらわれている何かから解放されると思ったのです。
碓氷は母親の誕生日で、故郷広島に帰ります。
そこで、母親がとっておいた父親からの手紙をカメラに収め、ユカリに見せました。
ユカリは碓氷から聞いていた話とカメラの画像を照らし合わせ、碓氷が思っている事実とは違和感があること、真相が違うのでは?ということに気付き、ユカリなりの推理、真実を碓氷に話します。
父親は全ての借金を背負い、妻や子供たちに迷惑がかからないよう、離婚をしたこと。
愛人と逃げた、というのは嘘で、その愛人はヤミ金の手先であり、結婚し父親が死ぬことで生命保険を受け取らせるようにしていたこと。
海外からの手紙には切手が貼られたハガキが入っていたが、その切手は未使用品で価値があるものだったこと。
その切手を売却すれば数千万のお金になること。
今までずっと憎んで恨んできた父親が自分たちのことを思って、死をもって自分たちを守っていてくれていたことを知った碓氷は涙し、ユカリの胸で泣きます。
その際、碓氷はユカリへの恋心を初めて認識し、それが自分にとって初恋だということに気付くのです。
しかしすぐに碓氷は研修期間を終え、広島に戻ることになります。
別れの時、ユカリに想いを告げようとしますが、ユカリに拒否され、碓氷は傷心のまま故郷に戻るのでした。
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3.転「死の知らせ」
広島に戻った碓氷は元カノ冴子と再会し、顔つきが変わったことと言われます。
研修先で何かあった?と勘のするどい冴子は、碓氷に何があったかを話すように言います。
碓氷は戻ってきてからユカリに何通か手紙を送っていましたが、返事はありません。
冴子に本当の恋をしたんだね、と言われた碓氷。
そんな時、病院に弁護士がやってきて「ユカリが死んだこと」を聞かされます。
そしてユカリは碓氷に遺産を残していたと・・・その遺産の額は、碓氷の借金の額と同じ金額でした。
いてもたってもいられなくなった碓氷は冴子に背中を押されたこともあって、葉山の病院へ戻ります。
そこで、院長に、特別病室には誰も入院していなかったことを知らされます。
弓狩環という女性はいたが2階に入院していたこと、その女性は横浜で亡くなったこと、君は幻を見ていたこと、研修に疲弊した碓氷が妄想を見ていた、というのです。
みんな君の妄想に付き合っていた、話を合わせていた、と。
信じられない碓氷はカルテを確認しますが、確かに特別病室に入院していたユカリのものはありませんでした。
自分は幻をみていたのか、何が本当で何が嘘だったのか、戸惑う碓氷でしたが、特別病室のベッドの下に隠されていたユカリが描いていた絵を見て、確かにユカリはいた、院長が嘘をついている、と確信します。
しかし何故院長が嘘をついているのか・・・もしかしてユカリは生きているのか?と微かな望みを抱いて碓氷はユカリが亡くなったという横浜の病院へ向かいます。
4.結「横浜でわかった真実」
横浜の病院で碓氷は、ユカリの死に際に立ち会った医師と話をします。
そこで、ユカリは以前横浜の病院に通院していたこと、以前とは雰囲気がかわったこと、ことなどを知ります。
ユカリは外出恐怖症だったのに色々と辻褄が合わない話に、碓氷は違和感を覚え独自に調べ始めます。
そして宿泊先のホテルのドアの下から入れられた、知らない弁護士の名刺。
その弁護士の元へ行くと、ユカリは新しい遺言書を作成していたと言います。
しかしその遺言書は、ユカリが倒れた際から行方不明とのこと。
碓氷はその遺言書を探すために、ユカリが倒れた付近で聞き込みを行うと、ユカリには足しげく通っていたカフェがあり、そこの店主と心を通わせていたことを知ります。
碓氷は失恋を味わうのですが、ユカリは愛する人の近くで息を引き取れた、そのことを嬉しくも思いました。
そして偶然ユカリの墓を発見。
ユカリはこの愛する人の近くの場所にお墓を購入していたのです。
そしてそのお墓でユカリの遺言書を発見・・・
遺言書には、お墓を購入したことなども記載してあったのですが、そこで最初に碓氷の元を訪れた弁護士が登場します。
その弁護士はユカリの遠い身内であり、莫大な遺産目当てでユカリの殺害をもくろんでいたのですが、ユカリが大病をわずらっていることを知り、ユカリが死ぬのを待っていたのです。
その最中に、ユカリの新たな遺言書の存在を知った弁護士は、その内容が自分には不利な内容だと知り新しい遺言書の処分を狙っていました。
弁護士はチンピラ風の男も連れていますが、大学時代空手部主将だった碓氷はあっという間に片付けてしまいます。
その後、葉山の病院で院長に、
碓氷が恋していたユカリは本当は朝霧由であり、今も生きていること。
亡くなったのは、弓狩環で、環が横浜の恋人に会うために、ユカリ(朝霧由)に身代わりを頼んでいたのです。
もし、弓狩環に恋人がいることを知れば、遠い親戚の弁護士が弓狩環を始末する恐れがあるからです。
そして病院関係者はそのことを知っていて、弓狩環に協力していました。
それをなぜ碓氷に隠したのか、それは朝霧由の願いからでした。
朝霧由も「頭に爆弾を抱えた」患者であり、そんな自分のために色んなものを犠牲にして欲しくないと思っていたからです。
しかし碓氷は朝霧由のもとにいることを決意。
ラストは、由(ゆかり)と闘病に付き合う碓氷先生との二人の仲睦まじい様子で終わります。
知念さんの著書たちです↓
わたしの感想
いかがでしたでしょうか?この物語を読んだ私の感想は、
- 展開が早くて読みやすい
- 結末がハッピーエンドで一安心
- 謎解きはそこまで驚きはなかった
- 少々現実味がないシーンが引っかかる
- 脇役の車椅子の男性や元カノなど、脇役が良い
- 伏線がところどころに張られてあり、うまく回収できている(主人公の部活など)
- 「頭に爆弾をかかえている」というユカリの台詞がうそっぽい
- ミステリーより恋愛小説の要素が強い
です。
たぶん帯が強烈だったんだと思います。
「圧巻のラスト20ページ!驚愕し感動する!愛した彼女は幻なのか?」
と書かれていたので、すっごいどんでん返しがある!と期待しすぎてしまった感があります^^;
普通に謎解きがあり、良かったね~という感じなのですが、泣けるほど感動する!と勝手に思っていた私にとっては、あっこういう終わりなのね、という感じでした。
でも読みやすいし、医療物は好きなのでこれが2時間のスペシャルドラマになれば絶対見るし、面白いんじゃないかな~と思います。
まぁ中々映像化は難しいのかな?とも思いますが。
というわけで、勝手にキャスティング考えてみましたー^^
キャスティングは?
私が(勝手に)考えたキャスティングは以下のとおりです!
- 碓氷蒼馬 ・・・ 坂口健太郎、竹内涼真、野村周平、岡田将生、三浦春馬
- ユカリさん ・・・ 吉岡里帆、新木優子、有村架純
- 朝霧由 ・・・ 多部未華子
- 冴子 ・・・ 松岡茉優、戸田恵梨香
- 親戚の弁護士 ・・・ 伊藤英明
- 院長 ・・・ 石黒賢
どうでしょうか??
こういうの考えるの、すっごい好きなんですよね~^^笑
今年は読書をしたい!という気持ちが強いので、これからもこんなネタバレ有りの読書感想的な記事が増えると思います♪
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